気温が1℃違えば物の売れ方が変わるそうです。
これからの季節なら平均気温が20℃でエアコン、23℃でビール、24℃で水着、30℃でかき氷などが売れ始めると聞きました。
物が売れるのも商売が繁盛するのも、またはその逆も、すべて理由あってのことです。
ある街角のラーメン店が、細々とでも営業を続けていられた理由は「営業時間」でした。
その地域で朝の5時まで営業しているラーメン屋はそこだけ。
深夜にぼんやり灯るその店の赤ちょうちんは、はしご酒で気分が良い酔っ払いにとってミシュランの五つ星以上の価値です。
店構えもメニューも味も平均点。
でも営業時間だけは120点。
だから、なんとか商売が成り立っていたのです。
ところが、この不景気で閉店時間が3時になり、1時になり、とうとう12時閉店になったとき、シンデレラの魔法がとけました。
12時閉店のラーメン屋ならいくらでもあります。
しかもラーメンが旨いとなれば、すべてが平均点のその店にまず勝ち目はありません。
だから、魔法がとける前に気づくべきだったのです。
なぜ自分の店がお客さんに選ばれていたのかを。
何でもそこそこできる人は重宝がられます。
また、とりあえず一般的に必要とされる商品が並ぶお店は大変便利です。
しかし、平均点をいくつ並べたところで平均点以上の存在にはならないことを思えば、どちらの場合も決定打に欠けます。
つまり替えが利くのです。そこでなくても他がある。
あなたでなくても、きっとだれか他にいると。
それが商売ならば、決定打に欠ける会社はお客様に選ばれるべき理由がないのと同じことでしょう。
今取引のあるお客様にもあなたの会社を選ぶ理由があります。
それを自分なりに分析して「120点で評価してくれた理由はここなのか」と判明すれば、これからも良いお付き合いが続くでしょう。
しかし、120点の理由が1つも見当たらないとしたら・・・。
今、あなたの会社をこのラーメン店で例えるとすれば、5時ですか、3時ですか、それとも1時ですか。シンデレラの魔法がとける前に、1つを磨き上げましょう。