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お客様との間に架ける橋

お客様との間に架ける橋

作るのは大変でも壊すのは簡単な信頼関係。信頼は人間関係の礎(いしずえ)です。

商売においても最重要課題であり、事態が深刻なときほど信頼関係がものを言います。

臨床心理学では信頼関係のことを「ラポール」と言いますが、これはフランス語で「橋を架ける」という意味です。

あなたの会社とお客様との間には「信頼」の橋が架かっているでしょうか。その橋は危機的状況にも耐えられるほどの強度を備えているでしょうか。

こんな話を聞きました。

U.S.アーミーの戦闘機には、一機につき16人の整備士が配置されているそうです。

戦闘機に乗るのは操縦士2名と副操縦士2名。彼ら4人は自分の命を16人の整備士に預け、16人の整備士は4人の命を守っている。

そこに信頼がなければとても成り立たない関係です。整備士たちはプロとしての仕事で4人の信頼に応えているでしょうが、タバコのワンカートンでも渡すと、よりしっかり整備してくれるそうです。

もちろん、これは「袖の下」的な意味合いではありません。「いつもありがとう。これからもよろしく頼むよ」という気持ちを「形」で表してくれた誠意に、人の心が動くのです。

その「形」が相手の負担になるようなものでは、かえって誠意が空回りするかもしれません。4人と16人の間に信頼という橋が架かっているからこそ、タバコのワンカートンというさり気ない気遣いによって橋の強度が増すのでしょう。

「ありがとう」の言葉に心を込めれば、感謝の気持ちは伝わります。

常に丁寧な対応で自分を敬ってくれる相手を悪く思う人はいません。また、「形」ある表現が言葉や態度を補ってくれるのも事実です。

「モノで釣るなんて」というのは過去にモノで釣られた経験がある人の発想かもしれません。

信頼していない相手から「形」で示されても、「形」以上のものは伝わりません。

お客様との間に「信頼」という橋が架かっていると自負しているのなら、時には相手に寄せる信頼を「形」で表すことで、危機的状況にも強い橋になるだろうと思います。