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売上総利益はどんな利益?

売上総利益はどんな利益?

今回から損益計算書のお話になります。

損益計算書とはどういった表かと言いますと、1事業年度でどれだけの売上をあげ、その売上をあげるためにどれだけの費用が掛かったか、そしてどれほどの利益を稼ぎ出したかを計算する表で、会社の経営成績を明らかにするものです。

損益計算書という表ができたのは、売上が幾らでドン、経費が幾らでドン、差額の利益が幾らでドン、というようにダンゴで計算したら、どういう経費が幾ら掛かり、どういう風に儲かったかが分かりません。

そこで、損益計算書の利益構造を5つに区分してそれぞれの中で計算することで、経営成績を明らかにしようとするものです。

損益計算書は、次の5つの利益で構成され、1から順にそれぞれの利益を計算していきます。

1.売上総利益
2.営業利益
3.経常利益
4.税引前当期純利益
5.当期純利益

今回は、5つの利益の中の売上総利益についてお話しします。
売上総利益は、利益の中で一番最初に出てくる利益です。
売上総利益は粗利益とかマージン(margin)とかで呼ばれています。
売上総利益は損益計算書において、売上高から売上原価を差し引いて計算される利益のことをいいます。
一般的な会話では、売上総利益よりも粗利の方がよく使われるように思います。

この売上総利益の計算式は、

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

で計算します。

売上総利益を計算するのに一番関係が深いのは「売上原価」です。
売上総利益を知るためには、まず「売上原価」が一体何者でどのようにして計算されるのかを知る必要があります。

売上原価とは、例えば、一冊70円のノ-トを10冊仕入れて、100円で8冊売ったら、売上高は800円 (100円×8冊=800円)となります。
その時の売上原価はと言うと、ノ-ト8冊分の仕入原価は560円 (70円×8冊=560円)となります。
2冊売れ残りましたが、売れ残った2冊分は費用にはならないですね。
この2冊は期末在庫といって資産になり貸借対照表の流動資産のところに商品として記載されます。
つまり損益計算から除かれてしまいます。

さて今お話ししたことを損益計算書に書き込んでみましょう!!

損益計算書

売上原価とは「売れた分に対応した原価」なのです。
ちょっと難しい言葉を使えば、「費用収益対応の原則」
つまり、費用と売上は常に対応していなければいけないと言うことです。

例えば、決算内容を良く見せようとして実際売れたノ-トは8冊なのに7冊しか売れなかったことにすると、売上は800円で変わりませんが、変わるのは売上原価です。つまり、期末在庫が2冊しかないのに3冊もあることにするのです。

すると、結果は

損益計算書

期末在庫を事実に反して過大に評価したため売上総利益が70円増えました。
このように期末在庫を操作することで利益を増やすことができます。
でも、これは業績をよく見せようとする粉飾決算の手口です。
粉飾決算が金融機関にバレると取引をしてもらえなくなる可能性が大きいです。
受けた融資はサッサと引き上げられてしまいます。
粉飾決算って怖いですね。

では逆に期末在庫を少なく評価するとどうなるかと言いますと、売上総利益が少なくなります。
もうお分かりですね。
脱税の手口となります。
期末在庫をどう評価するかによって粗利が変化することがお分かり頂けたと思いますが、税務調査で期末在庫を過小に評価していることが税務調査官にバレたら重――い重加算税がまっています。
40%も課されてしまいます。
そして、頻繁に税務調査を受けるハメにもなります。
ですから正しい納税に努めましょう!!

売上総利益は、計算式でも示したように、当期の売上高から売上原価を差し引いたあとの残りの利益を言います。

そして、売上総利益が会社にとって最大の利益になるのです。

この売上総利益から給料や法定福利費、旅費交通費、接待交際費、通信費、地代家賃、そして支払利息などなどが支払われます。

ですから、売上総利益の額が大きくないと会社が大きく飛躍できません。
金融機関からの融資にすがるだけになってしまいます。
でも、何時までも融資を受け続けることはできませんね。
だから、売上総利益を沢山稼いで、翌期以降に繰り越していく必要があります。

この売上総利益が、身体を流れる血液だと覚えておいてください。
会社を支える大事な血液なのです。