たかが税理士、されど税理士
税理士事務所選びでよく耳にする「3つの言葉」について考えてみたいと思います。
「顧問料を安くでやってほしい」
こんなお悩みを持つ社長様に質問です。
社長様の会社のカシミヤのコ-ト10万円の商品を3万円で売って欲しいと言われた
らいかがでしょう??
実際の価値が10万円する商品を、
「はい分かりました、このカシミヤのコ-ト3万円で売りましょう」
そう言って社長様は自分の会社の商品を快く売られるのでしょうか?
おそらく品質の落ちたカシミヤのコ-トでお話をされることと思います。
我々税理士も10万円の価値があるものを、そう簡単に値引きはできません。
簡単に値引きに応じられるのは、それだけの商品しか持ち合わせてないからと思いま
す。
ただ単に、入力だけ、利益予想など何のアドバイスもなく、節税対策もなく、会社の分析
をするでもなく、決算書を作成するだけ、決算の結果計算された税金の納付書を納付期
限ギリギリに渡され、社長様は、渡された納付書に書かれている納付税額に驚きます
が、期限が迫っていてどうにも手がつけられません。
毎期毎期そういった感じで決算が行われ税務申告をすることになります。
社長様が知らないだけで、分からないところで適当に処理されてしまうだけです。
心ある税理士は、一旦顧問税理士として引き受ければ、そういう訳にはいきません。
誠心誠意勤めることが税理士の使命と考えるからです。
池田税務会計事務所は、社長様と契約した適正な顧問料のなかで決算期の3ヶ月前に
は利益予想を行い、納税額が多額になるようでしたら節税対策のアドバイス、その結果
を踏まえて決算書・税務申告書を作成しています。
「上から目線ではなく、同じ目線で対応してほしい」
ある税理士事務所に勤めているときです。
お客様が、5~6歳ほどのお子さんを連れてこられました。
その子供さん、お母さんと一緒に事務所内に入ってこないんです。外のロ-カに一人ぽつんと立っていました。
何人かの職員が事務所の中に入ろうと声をかけたのですが、そのお子さん、ガンとして事務所内に入ってこなかったんです。
私は外に行く用事ができ、ドアを開けたら寂しそうにポツンとその子供さんが立っていま
した。
そこで声をかけました。
「中に入ろう」
首を横に振ってイヤがります。
私は、子供の前に座って「ここ寒いから中に入ろう!!」と言ったら「うん」と言って私と手をつないで中に入ってきました。
そうすると、一人の職員が言いました。
「なぜ池田さんが声をかけたら着いてくるの???不思議ですね・・・・・」
「なぜだと思いますか?」
実は、私が子供さんの前に座って子供目線で話しかけたから着いてきたんです。
子供目線で話しかけたから、そのお子さん安心したんですね。
このように私の目線はいつも社長さんと同じ目線です。
安心して仕事を任せていただきたいと思います。
「業種・業界に詳しい税理士がいい」
「業種・業界に詳しい税理士がいい」こんな話をよく耳にします。
私から言わせていただければ、業種・業界のことが最も詳しいのは社長さんです。
また、業種業界の情報がいち早く届くのは社長様の耳です。
何をもって業種・業界に詳しい税理士が良いと思うのでしょうか?
商品の売り方のアドバイスが欲しいのでしょうか?
優良企業の手法とか、同業者の中で繁盛していたり成長していたりする会社の情報が欲しいのでしょうか?
そういった情報は、「ああ、あれか、だいぶ前に聞いたな。それだったらもう試してみたよ」
などと、社長が期待するような情報はあまりないと思います。
たとえ情報があったとしても、その情報が我が社に使えるか?
我が社の社員がそのレベルの仕事ができるか?
情報先の会社の規模が大きすぎたり、小さすぎても我が社が取り入れられるか問題で
す。
他社の真似をして業績が上がらなかった場合、
「他人のアイデアだからね」
「うちの会社には合わなかったんだよ」
などと簡単に批判・・・
行き着くところは、
「景気が上向かないことにはどうしようもない」
という環境依存。
そして、景気が上向いても自社がうまくいかないと、それはそれで不平不満が出てしまいます。
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余談ですがこんな話があります。ある研修に松下幸之助さんが出席されていたときです。
パナソニックの店舗の社長さんが、演壇で私の店舗はこういう風に売上を上げていると延々と売上の上げ方をお話しされたそうです。
演壇を終わり降りてこられた社長さんに、松下幸之助さんが聞いたそうです。あんなに情報を流して大丈夫ですか?
そこで社長さん曰く大丈夫です。真似なんてできっこありませんから。自信満々に答えられたそうです。
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他社の真似をすることは、すごく労力がかかり大変なことです。
ではどうすれば我が社の売上が上がる有用な情報やアイデアが得られるかと言えば、異業種の社長さんとの交流を密にしてみることです。
異業種の事例をベンチマ-キングして自社に合うようにアレンジして取り入れる。
ベンチマ-キングは、ベンチマ-キングする相手を特定してインターネット情報や、企業視察等を通して情報を収集します。
常に異業種企業の良い点を見つけ、自社に導入できるものは積極的に取り入れ競合他社に対して差別化を図ることが大事となります。
ベンチマ-キングは、ベンチマ-キングした会社をただ真似るのではなく、自社の持つ課題を発見し、自社の実態にあわせてアレンジし検討することが必要となりま
す。
異業種では常識になっていることが、自社の業界では当たり前でないことがよくあります。
こうした常識を打ち破るためには、異業種の経営者などとも、積極的に交流することが必要となります。
是非、チャレンジしてみてください。