忙しがる人に限って、書棚に「超●●法」とか「■■有効活用術」の類がずらりと並んでいる――。これは気のせいでしょうか。不思議なもので、本当に忙しい人は「忙しい」とはまず言いません。
忙しがっている人は多分、的を絞ることが少し苦手なのではないでしょうか。なぜなら、いつまで経っても忙しさの中身が変わっていないからです。
コレをしながらアレもソレも一緒にできる。
現代人は「同時進行」が大好きです。
効率重視は現代社会を戦っていく一種の武器であるかのような風潮に多くの人は疑問を持ちません。
しかし中には、あえて非効率なやり方で商売を成功させている経営者たちもいます。
「アイビー・リー2万5千ドルのアイデア」にピンとくる方は、効率を50%アップさせる非効率な方法を実践されているのかもしれません。
ある社長がアイビー・リーに相談を持ちかけました。
「やらなきゃいけない仕事が多すぎて、何から手をつけていいのか分からない」。アイビー・リーは、能率アップを指南する専門家です。
彼は1枚のカードにあるアドバイスを添えて社長に渡しました。
数ヶ月後、「これほど効果のあるアドバイスを受けたことはありません」というお礼の手紙と一緒に、その社長からアイビー・リーに2万5千ドルの小切手が届いたそうです。
アイビー・リーのアドバイスは実に単純なものでした。
「毎日やるべき仕事を6つ挙げて優先順位をつけ、1番から順に取り組む。
その日のうちに全部できなくても気にしない。
その夜に明日やるべきことを6つ挙げて優先順位をつけ、翌日また1番からやっていく。
これを毎日、とにかく1ヶ月続けてください」。やるべきことを毎日確実に続ける――。
効率好きな人には地味すぎるほどシンプルなやり方でしょう。
でも、効率を追い求めながらも相変わらず「忙しい」と言っている矛盾に、そろそろ気づくときだろうと思います。
試しに1ヶ月間、真剣に“非効率”をやってみる価値はあります。
それで成果が出たら、社員やご家族に食事でもご馳走してみてください。
仕事の効率と一緒にあなたの株もきっと上がることでしょう。