連帯保証=経営者保証。その怖さ・・・
経営者保証とは、社長さんが銀行からお金を借りるときに「人的担保」として社長さん個人が保証するもので「連帯保証」のことを指します。
会社がお金を借りたのに、社長さんが人的担保である連帯保証をするということは、カンタンに言うと「社長さん個人が借金をしたのとほぼ同じ」ということになります。
この連帯保証とはどういうことかというと、もともとの借り手である会社が返済不能に陥った場合、銀行は社長さんに返済を求めてくるということです。
これが連帯保証というものです。
返済が滞れば、財産を差し押さえられる可能性があるのが連帯保証の怖さなの です。
金融機関が社長を連帯保証人にしたがる理由(ワケ)
なぜ銀行さんが、社長さんやその家族を「連帯保証人」にしたがるのかには理由があります。
社長さんへの規律付けと信用補完の2つです。
会社と社長さんとは一心同体であれ、つまり社長さんに対する「借りる覚悟」の要求と言えます。
会社がダメになったら、社長さんあなたも責任を負うのですよということです。
それと、会社だけでは信用が足りないということです。
結果、会社と社長さん個人とは一体評価をする。
というのが銀行さんのスタンスです。
経営者保証(連帯保証)ナシで融資を受ける?
ところで中小企業庁が、平成25年に「経営者保証ガイドライン」なるものを公表しています。
これは、経営者による思い切った事業展開や、連帯保証後に経営が絶ち行かなくなった場合に早期の事業再生を阻害する要因となっているなど、企業の活力 を阻害する面もあり、経営者保証の契約時及び履行時等において「経営者保証を求めないことを検討せよ」と言っているのです。
では経営者保証なしで融資を受けるには?
1. 法人と社長さんとの資産関係及び経理が明確に区分・分離されていること
●会社から社長さんに対して私用目的の貸付けをしない。
●社長さん個人のプライベートな支払いが会社の経費に混じっていない。
●社長さんやその家族の給与が高過ぎない などが挙げられます。
2. 法人の資産・収益力で借入金の返済が可能と判断できること
●借金返済ができるだけの利益をしっかり出すこと。
●多少の業績悪化では傾かないように、ムダ使いをせずに利益を溜め込み財務 基盤の強化を図ること。
3. 法人から適切な財務状況が開示され提供されていること
●「中小企業の会計に関する基本要領」等に拠った信頼性のある決算書である
●期中の財務情報が確認できる試算表・資金繰り表などが定期的に報告されて いる こういったことを、外部専門家である税理士などによる検証も加えてアピールをして欲しいというのが、中小企業のガイドラインによる要求です。
経営者保証の解除はできる
経営者保証 (連帯保証) している7割強の社長さん達が、経営者保証の解除・無保証による新規借入の意向がある。
が、実際に銀行さんへの相談・申し出を行った社長さんは、そのうち1割強に 止まっている。
経営者保証の課題として、経営者保証の「解除意向がない」または「解除意向はあるものの申し出がない」
理由として、
●経営者保証は当然との根強い認識がある
●経営者保証解除による融資条件の悪化懸念
●金融機関との関係悪化懸念 等が挙げられるとのこと
これらの理由はともかくとして、税理士が率先して経営者保証の解除を手伝って欲しいというものです。