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Column

商売上手は、「たとえ話」もお手の物

商売上手は、「たとえ話」もお手の物

今、目の前に魔法使いが現れて「おまえの欲しい能力は何だい?それを授けてやろう」と言ったら、迷わず「伝える能力」と答えましょう。伝える能力に優れていれば、商売は昨日よりもずっと上手くいくはずです。

話が上手くて説得力に長け、なおかつ人とのコミュニケーションが円滑であれば、商売に限らず大方のことはスムーズに運びます。

スムーズにいかないのは双方の理解や意思に何らかの「ズレ」が生じているからです。

たとえば、「りんご」の話をするときもそう。「りんご」とくれば「赤いりんご」を思い浮かべる人が大半だとしても、中には「黄色いりんご」「黄緑のりんご」をイメージする人もいます。

これが「ズレ」です。それなのに「りんご=赤」で話を進めていけばどうなるか。

極端な話、最後にはお互いがまったく別の果物について論じている可能性があります。「ボタンの掛け違い」という言い方もありますが、いずれにせよ最初の小さなズレが、最終的に致命的なズレに発展するケースは、決してめずらしくはありません。

しかし、このズレを回避する方法は簡単です。初めから「赤いりんご」と言えばいいだけのこと。「赤い」のひと言を付け足して、りんごの話を始めればいいわけです。最初に「赤いりんご」と言えるかどうか。これが「伝える能力」なのです。

もちろん、「赤いりんご」というのは一種の比喩(ひゆ)ですが、「たとえ話」で相手に対して表現できるかどうかも「伝える能力」の重要な要素と言えます。

伝え上手な人は、総じて「たとえ話」も上手です。商売相手との間にズレを感じたら、相手が興味を持っている何かにたとえて話をしてみたらどうでしょうか。

残念ながら「伝える能力」を授けてくれる魔法使いは現れませんが、「たとえ話」を作る上での有名な極意ならあります。

それは、伝えたいことを「できるだけ短く、シンプルに、そして誠意をもって繰り返すこと」です。そうすることによって相手への「伝える能力」は格段と増すことでしょう。

そのりんごは何色ですか?