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一定期間の営業成績が書かれている損益計算書

一定期間の営業成績が書かれている損益計算書

損益計算書という名前は聞いたことがあると思いますが、この損益計算書がどういう風に事業に役に立つのかをお話したいと思います。

損益計算書は、1事業年度 (1年間) の営業活動の結果得られた利益がどのように獲得されたのか、社長の経営手腕 (営業成績) を明らかにする表なのです。
1年間の取引を計算した結果儲かっていれば益
1年間の取引を計算した結果稼ぎが少なかったら損
ということです。
つまり、損益計算書は1年間の取引の結果が、益だったのか、損だったのかを計算する書類です。

営業成績の計算は、1事業年度で得られた収益からその収益を得るために費やした費用を控除して計算します。

 収益-費用=当期利益

当期利益が出たということは、当期は儲かったということです。
「儲けているのか」という情報だけが知りたいのなら貸借対照表でも分かるのですが、貸借対照表で分かるのは「いくら儲かった」という情報だけです。
どのようにして儲かったのかが分かるのは損益計算書でないと分かりません。

今期の経営成績がどうだったのかを知るためには、前期・前々期と比較などしてみる必要があります。
また、今後会社をどう経営していくかを考える上では、過去のデ-タを元に考える必要があります。
何の脈絡もなく今後の経営計画を立てることはできません。
よりどころとなるものが無くてはいけません。
そのよりどころとなるものが損益計算書です。
損益計算書があることで、損益分岐点を計算したり、3期比較の売上グラフであったり、過去3カ年間で売上の推移や経費の推移はどうだったのか?
を比較して我が社の経営状況を見ることができるのです。

損益計算書の構造を見てみることにします。
初めて見る人は、ちょっと難しい構造ですね。
会社の利益は5つに分かれています。

Ⅰ売上高 10,000
Ⅱ売上原価 -3,000
 売上総利益 7,000
Ⅲ販売費及び一般管理費 -5,000
 営業利益 2,000
Ⅳ営業外収益 +1,000
Ⅴ営業外費用 -1,500
経常利益 1,500
Ⅵ特別利益 +2,000
Ⅶ特別損失 -1,000
 税引前当期純利益 2,500
 法人税・住民税及び事業税 -400
 税引後当期純利益 2,100

■ 売上高 → 会社の本来の事業で稼いだもの
本業での売上を積み上げて合計したものです。売上高の大きさは、その会社の事業規模を表します。

■ 売上原価 → 売上を稼ぐために直接掛かった費用
 この仕入原価を如何に安く手に入れるかが問題です。
 安い仕入原価は必須だとしても、安かろう悪かろうではお客様の心を掴むのは難しいですね。

■ 売上総利益 → 会社が自由に使うことができる利益
 売上高-売上原価=売上総利益

売上高から売上原価(仕入れなどの費用)を差し引いた利益ことを言います。
一般的には粗利益とも言ってます。
この売上総利益の金額が大きければ大きいほど、会社は色々な経費が使えます。
例えば、社員研修費、広告宣伝費など将来のための費用をたくさん使えます。
この売上総利益の金額が小さいと将来のための費用を使うことができません。

■ 販売費及び一般管理費 → 会社を動かしていくのに必要な諸経費が書かれている
販売費及び一般管理費とは、役員や従業員の人件費や家賃、広告宣伝費などの営業活動に深い関係を持つ経費をいいます。
 経費は、極端に言えば「雑費勘定」だけで十分なのです。
 が、接待交際費のように税法の縛りで計算するものなど費目ごとに見なければならないものがあります。
 また、この費目は前期、前々期は幾ら使ったのかを比較検討するために会社ごとに費目を設定する必要があります。

■ 営業利益 → 会社本来の事業で稼いだ利益
売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益

■ 経常利益 → 本業以外の利益を含めた会社の日常的な利益
 営業利益+営業外収益-営業外費用=経常利益

営業利益に受取配当や受取利息など本業以外の収益や支払利息などの費用を加減した額です。

■ 税引前当期純利益 → 経常的な損益ではなく当期だけに発生した特別な損益
 経常利益+特別利益-特別損失=税引前当期利益

土地の売却益や退職金支払いなど、特別な理由による損益を加減した利益です。
税引前当期利益は、特別利益や特別損失が大きい場合に大きく変動する利益です。

■ 税引後当期純利益 → 1年間稼いだ利益から税金を支払った後の最後に残った利益、
 税引前当期純利益-法人税・地方税=税引後当期純利益

株主に対する配当金は、売上総利益から会社が営業活動に掛かった全ての経費を差し引いた最後の税引後当期純利益から支払います。

いかがでしたか?

貸借対照表はサッパリわからないけど、損益計算書はなんとか分かる、という社長様は多いと思います。
貸借対照表も損益計算書も使いこなして欲しいと考えています。